司法書士:長谷川聡
京都司法書士会 第574号
簡易裁判訴訟代理権認定 第213094号
生年月日 | 昭和42年11月23日生 |
---|---|
略歴 | 平成8年 司法書士登録 平成10年 京都府京田辺市にて事務所開設 |
講演歴 | 積水ハウス、京都信用金庫、長谷工、センチュリー21、総合地所、損保ジャパンひまわり生命、近畿税理士会、京都不動産コンサルティング協会 他 |
趣味 | エレキベース、ドラム、映画鑑賞、読書、旅行 |
経営理念
- 法律に携わる職業人としてその知識と見解で社会の一隅に明かりを灯します。
- 依頼の本質を見極めて解決への道筋を示し、心の不安を払います。
- お互いに尊重し、誇りを持って働き成長してゆける職場を創造します。
インタビュー
―本日は長谷川司法書士事務所の所長長谷川聡氏にお話を伺います、よろしくお願いします。幼少期から、ご結婚されるまで京田辺市にお住まいで、事務所も京田辺市ですね。
生まれたのは大阪の寝屋川市なんですが、5歳の時に京田辺市に引っ越してきて以来ずっと京田辺市松井山手にいます。当時はまだ「田辺町」で通学路の茶畑や竹やぶの原風景を今でも覚えています。下校の途中、池でザリガニを釣ったり虫を捕まえたり木苺を取って食べたり。この辺ではなぜかクワガタのことをゲンジというのですが、当時のJR片町線沿線を僕たちは「ゲンジ林」と名付けて夏は線路に侵入して、クワガタやカブトムシを捕まえていました。今は山手東の住宅地になっています。まさか将来仕事も京田辺市でするとは思いませんでしたね(笑)結果的に45年以上ここにいるので、すっかり原住民ですね。
―学生時代に何か夢中になった事はありますか?
高校時代は少林寺拳法部に所属してまして一応初段です。この時期音楽に目覚めてしまい、同志社大学入学と同時に軽音楽サークルに入部、エレキベースを始めました。卒業してから10年以上ブランクが空いてしまいましたが、30過ぎてから再開しましてそれからはずっと弾いてます。一応バンドを組んでいまして、年に1回はライブをやっています。2018年からはドラムも始めまして、、、やはり根っからの音楽好きだと自分でも思います。
―司法書士を志した理由をお聞かせ下さい
大学は商学部だったんですが、どうしても簿記や会計学になじめませんでした。数字を扱うことに面白みも興味も持てない。そんな時、一般教養で法学部の授業を受けたとき「これこそ血の通った学問だ。こちらの方が面白い。」と思ったんです。入る学部を間違えたと気づいたんですがもう遅い(笑)。
2回生になった時、父が仕事で必要だからと宅地建物取引主任者の資格を私に取るよう言ったんです。半年勉強して資格を取ったんですが、その時法律の面白さに目覚めてしまったんです。自分はこの道が向いてるんじゃないかと思いました。
そんな時、同じ不動産に関する資格で司法書士という職業があることを知り4回生の時に目指すことにしました。
―合格後、すぐに開業されたのでしょうか?
平成7年に合格し、京都市の事務所で1年間実務経験を積みました。その後国家試験受験予備校の講師になり、1年半司法書士コースの教壇に立ち受験指導にあたっていました。そして平成10年6月に開業しました。
―司法書士、弁護士、行政書士、税理士、、士業と呼ばれる職業がいくつかありますが、この悩みはどこに相談に行っていいのか、迷うことがあると思うのですが、司法書士の業務について教えてください。
司法書士は登記の専門家です。登記は大きく2種類あります。まずは不動産登記。これは土地や家屋を買ったり相続した時の名義変更や不動産に担保を設定したり抹消したりする仕事です。次に会社法人登記。これは会社を設立したり役員変更や増資の登記をする仕事です。よく間違われるのは行政書士です。行政書士は主に許認可申請を代行する仕事ですから法律家ではありません。税理士は税務の専門家で毎月の記帳代行や確定申告の書類を作るのが仕事です。弁護士はもちろん法律家で裁判が主な業務です。
―長谷川司法書士事務所は、どのような事務所でしょうか?
下駄ばきで気軽に来ていただけることをモットーにしていますので、テレビに出てくるような都心のビルにある大事務所とは全く違います。町の診療所のイメージですね。
―長谷川司法書士事務所の強みを教えてください
まず分かりやすく、ていねいな説明です。
当事務所で一番多いのは相続手続きですが、死後の財産承継だけでなく、生前からの承継のご相談にも乗れることが強みです。後でご説明する家族信託を用いた資産の承継、相続対策を得意としており、健康状態が低下したりご自分の意思が表示できなくなっても、ご親族が代わりに実家を売却できるような仕組みを提案できます。これは信託に精通した税理士と提携しております。
私は開業前に予備校で講師をしていたので、生徒に法律を分かりやすく説明しなければなりませんでしたから、説明力はずいぶん鍛えられました。この経験で「専門用語を使わない説明」ができるようになり、時には他の事務所でわからなかったことがここへ来てようやくわかったと喜ばれることもあります。
町の診療所のようにいろんな相談が舞い込みます。内容によっては税理士や弁護士など他の専門士業と連携してチームであたることもあります。
またホームページをご覧になるとわかる通り、私はセミナー講師など人前で話す経験を多く積んでいます。それも相談者の方に分かりやすく説明できる基礎になっていると思います。
―町の法律家として、司法書士になられてから長きにわたり様々なかつ沢山の相談を受けていらっしゃいますが、現状どのような相談が多くなっているのでしょうか?
事務所が住宅地にあるので個人のお客様がほとんどでして、高齢化社会が進むにつれ遺言や相続のご相談が年々増えており、20年間で約1000件のご相談を承ってきました。開業して20年経つので当時お父さんお母さんだった方が、おじいさんおばあさんになられてるわけです。もちろん青年だった私も中年になってるわけですが(笑)
ここ10年ほど前からは、家の名義変更だけでなく預金の解約や保険の解約、社会保険や年金の手続きまで全て依頼される方が多くなっています。これは、銀行や役所などに行って手続きをしてくれる子供が近くにいないご高齢の世帯が増えているからなんです。連れが亡くなってしまったら、たちまち独居老人になってしまい、足の悪い方は近所の銀行にいくのもしんどいとおっしゃいます。横断歩道が無い道を行きかう車の合間を縫って横断することもできない現実があります。信号が青の間に道を渡れない方もいらっしゃいます。そういう方は登記だけでなく、その他の事務処理も全て任せたいんですね。そういうニーズにも対応させていただくようになりました。
しかし、様々なご相談を受けるたびに従来の法律の枠組みではどうしても解決できない問題にも遭遇することが多くなってきました。例えば、再婚して連れ子のいるご夫婦は自分の死後、配偶者に相続させることはできますが、配偶者の死後その財産は配偶者の子供が相続します。自分の子供に相続させたいと考えていても無理なんです。
他には、ご両親が施設に入っているが寝たきりで会話もできず、意思疎通もできない状態のため、実家を処分して親の医療費に充てたいのに処分できずに空き家に固定資産税を払い続けておられるお子さんもおられます。
それが、信託法が改正されこのようなケースでも自分の思いに沿った形で資産を承継できるようになったことを知り、独自に研究と実践を進めてきました。最近では「家族信託」という言葉が認知され始めてきて、テレビや雑誌でも特集され始めたので問い合わせが増えており、企業等からセミナー講師の依頼も増えています。死後の手続きだけでなく、生前から一貫したご家族の財産管理や承継についてアドバイスさせていただく仕事が増えていますね。
―相談を受ける時、先生が一番大切にしていることは何ですか?
一番大切にしているのは「話しやすさ」です。これは説明力よりも大事なことと考えています。以前お客様から「長谷川は話しやすいのがすごくありがたいんです。他の先生はなんか気を使ってしまい、こんなこと言ったらどう思うだろうか、機嫌を損なうんじゃないか、怒られるんじゃないかと考えてしまうんですが、長谷川先生にはそれがない。だからすごく話しやすいんです。」とおっしゃっていただいたことがあり、とてもうれしく自信につながりました。私の仕事はお話を伺うことがスタートですから、聴くことが大事なんです。そのためには私が話しやすい人でないといけないと思っています。
次に説明するときは平易な言葉で話すように心がけています。我々専門職はつい専門用語を使ってしまうんですね。でもご高齢の方に「法定相続」や「遺産分割」「遺留分」といった専門用語で説明してもなかなか理解していただけません。そういう時は必ず「法定相続というのはですね」と注釈をつけます。それと相手がわからない顔をされているときは、話を先に進めません。理解されるまで待ちます。ご相談者の頭の中が赤信号や黄信号が点灯している時は、こちらの言葉が頭に入っていかないのです。なのでよく表情も見ています。理解されて緑信号に変わったことを確認したら話を先に進めます。
それから、最適な道や答えは人によって違うので「その方にとってのベストの道は何か」ということを共に考えます。そのためにも私がなんでも話せる人でないといけないんです。ご自分の話を「5」されたら「5」の情報しかこちらには入ってきません。「10」話されたら「10」の情報が入ってきますから、情報が多いほど最適な答えに近づくことができます。
会社に法律顧問のいる社長さんでもプライベートなことや教えてほしいことがある時は私に電話してくる方がおられます。そういう方が年々増えています。顧問だから聞けないこと、聞きにくいこと、話しにくいことというのがあるんですね。
―実際先生とおはなししていて、温かくとても頼りがいがある印象を受けました。そして質問内容に対し、瞬時に的確な回答をされますね。そのお人柄が長年相談者から信頼され、沢山の実績を積まれている証となっていると思いました。先生は相続と、家族信託のホームページのサイトをこの事務所のホームページと分けて作っていらっしゃいますね。それは、どのような理由からでしょうか?
平成16年頃に事務所のホームページは作っていました。ちょうどインターネットが普及し始めた頃でした。しかし、これは事務所紹介と業務内容をお知らせするものだったので、お客様のご相談に対応できる内容にはなっていませんでした。お客様は司法書士を探しているのではなく、自分の問題を相談できる相手を探しているのです。そのためには問題解決を目的としたホームページを作る必要がありました。場所柄開業時から遺言・相続の相談が多かったのでこれで悩んでおられる方が多いことはわかっていましたので、相続に特化したホームページを作ろうと考えました。
平成20年頃「相続の相談承ります」というホームページが世に出始めていたのですが、税理士は税金のことしか書いてない、弁護士や司法書士は法律の事しか書いていませんでした。これでは相談者はどちらに相談していいかわかりませんし、両方に相談に行かれた方は法律家と税理士で回答が違うこともあり、右往左往してしまい、結局どうしていいかわからないという声も聞いていました。これを解決するためには相続に詳しい税理士と共同で相続のご相談を受ける仕組みを作り、相談窓口を一本化するしかないと考え「相続専門のホームページ」を作りました。このようなホームページは今でもあまり無いようで、京田辺市はもとより市外の方からも相談にお見えになられています。
相談内容事に分けると見やすくお客様に喜んでいただけるとわかり、今では「家族信託専門ホームページ」も作り、お客様のニーズ、ご相談内容に合わせた専門のホームページを運営しています。
―それぞれ拝見しましたが、とても読みやすく、丁寧に説明されていて、勉強になりました。そして、真に実績を積み重ねていらっしゃるのがよくわかりました。様々なセミナー講師経験もされており、セミナーに参加されているお客様の声を見ると、先生の昔の講師経験もいかされているようで、こうしてお話もしていると、とても簡潔で分かりやすいです。法律家として、司法書士という立場でこれからどのような時代になると思われますか?
私は宅地建物取引士の資格も持っており、司法書士では唯一の京都不動産コンサルティング協会の会員でもあります。ですので、相続手続きを終えた後、この家を売ってくださいというご相談にものることができますし、実際お預かりした物件を売却するお手伝いもしています。
―最後に先生の座右の銘を教えてください
「失意泰然 得意淡然」です。
これは高校の卒業式の時に担任の先生からいただいた言葉です。物事がうまくいかなくなっても、焦らず落ち着いて時節の到来を待つべきだ。また、うまくいったときは驕らず、つつましい態度で淡々としておくこと。という意味です。18歳の少年によくこんな処世訓を贈ってくれたと思います。それ以来、なぜかこの言葉が忘れられずいつのまにか私の座右の銘にもなってしまいました。
―沢山の実績があり、常に今そしてそれからの時代を見据え、最適な答えを導き出していただける、長谷川司法書士事務所へ私も何かあった時は、是非相談に行きたいと思いました。
本日はありがとうございました。